事業承継・引継ぎ補助金は、中小企業の円滑な事業承継を支援する重要な制度です。
しかし、申請から補助金交付までのプロセスにはさまざまなスケジュールが存在し、把握しておくべきポイントは下記のように多くあります。
本記事では、2024年度の最新情報をもとに重要なスケジュールを詳しく解説します。
これから申請を検討される方はもちろん、すでに申請済みの方にとっても有益な情報をお届けします。
事業承継・引継ぎ補助金の2024年度10次公募が現在進行中です。
今回は「専門家活用」枠のみが対象となっており、「経営革新」枠と「廃業・再チャレンジ」枠は含まれていません。重要なスケジュールは以下のとおりです。
項目 | 日程 |
募集枠 | 専門家活用枠のみ |
申請受付期間 | 2024年7月1日~2024年7月31日(水)17:00 |
交付決定日 | 8月末~9月初頭(予定) |
事業実施期間 | 交付決定日~2024年11月22日(金) |
実績報告期間 | 2024年8月29日(木)~2024年11月25日(月) |
補助金交付手続き | 2024年12月中旬以降(予定) |
【参考】事業承継・引継ぎ補助金事務局 事業承継・引継ぎ補助金(専門家活用)
申請をお考えの方は、7月31日17時までに必要書類を揃えて申請を完了させることが極めて重要です。
また、事業実施期間が比較的短いため、効率的かつ計画的に事業を進めることが成功の鍵となります。
綿密な準備と迅速な行動が求められますので、十分にご注意ください。
事業承継・引継ぎ補助金を最大限に活用するには、全体のスケジュールを正確に把握することが不可欠です。
特に注意を払うべき重要なポイントは以下のとおりです。
GビズIDプライムアカウントの取得には2~3週間程度要するため、申請期限の少なくとも1ヵ月前までには申請を完了させることがおすすめです。
また、補助事業は交付決定日から実施期間終了日までに必ず完了させる必要があります。
スケジュール管理を徹底することで、円滑な申請手続きと効果的な補助金活用が可能となります。
各段階での期限を意識し、計画的に進めることが成功への近道です。
【参考】中小企業庁 中小企業生産性革命推進事業「事業承継・引継ぎ補助金」(九次公募)の公募要領を公表します
事業承継・引継ぎ補助金の申請前に、公募要領を確認することは非常に重要です。
公募要領には、各申請枠と類型の詳細な情報が記載されており、自社の状況に最適な申請枠を選択する際の指針となります。
また、申請に必要な条件や提出書類、補助対象経費などの重要な情報も含まれています。
下の表は、各申請枠と類型の概要をまとめたものです。
注意として現在進行中の10次公募では「専門活用枠」のみ進行中です。
申請枠 | 類型 | 概要 |
経営革新 | Ⅰ型:創業支援型 | 廃業予定者から経営資源を引き継いで創業 |
Ⅱ型:経営者交代型 | 親族内承継や従業員承継等の事業承継 | |
Ⅲ型:M&A型 | 事業再編・事業統合等のM&A | |
専門家活用 | Ⅰ型:買い手支援類型 | 事業承継・引継ぎに係る専門家の活用 (買い手側) |
Ⅱ型:売り手支援類型 | 事業承継・引継ぎに係る専門家の活用 (売り手側) | |
廃業・再チャレンジ | – | 事業の廃業・集約化及び再チャレンジ |
【参考】事業承継・引継ぎ補助金事務局 事業承継・引継ぎ補助金【10次公募】の概要
申請前に公募要領を確認し、これらの枠や類型の詳細を十分に理解しましょう。
自社の事業承継計画にもっとも適した選択肢を見極めることが、補助金の効果的な活用につながります。
事業承継・引継ぎ補助金の申請は、電子申請システム「jGrants」を通じておこないます。
この過程では「GビズIDプライム」アカウントが必須です。
アカウント取得後、jGrantsにログインをして必要事項を入力して申請書類をアップロードします。
申請期限を厳守し、十分な余裕を持って手続きを進めることが重要です。
GビズIDプライムアカウントの申請は以下の手順でおこないます。
登録には法人印鑑証明書、代表者のメールアドレス、SMS受信可能な電話番号が必要です。
アカウント取得には2~3週間程度かかるため、早めの準備が推奨されます。
経営革新枠と廃業・再チャレンジ枠では、申請前に認定支援機関への相談が強く推奨されます。
専門家のアドバイスにより事業計画の質が向上し、採択率の上昇につながる可能性があります。
必要書類には事業計画書・財務諸表・認定支援機関の確認書などが含まれますので、漏れのないよう準備しましょう。
事業承継・引継ぎ補助金の交付決定は、申請締切日からおよそ1ヵ月後の発表です。
交付決定の結果は、事業承継・引継ぎ補助金の公式Webサイトで公開されます。
交付決定を受けた事業者は、決定日から補助事業実施期間の終了日まで事業実施が可能です。
例えば、10次公募では交付決定日が2024年8月末~9月初頭(予定)、事業実施期間が交付決定日~2024年11月22日(金)となります。
迅速な事業開始のため、交付決定後すぐに補助事業に着手できるように準備しておきましょう。
【参考】事業承継・引継ぎ補助金【10次公募】の概要 事業承継・引継ぎ補助金事務局
【参考】中小企業生産性革命推進事業 事業承継・引継ぎ補助金 専門家活用枠【公募要領】10次公募
実績報告書は、補助事業完了日から起算して30日以内、または補助事業実施期間の終了日のいずれか早い日までに提出してください。
提出は電子申請システム「jGrants」を通じておこないましょう。
事業承継形態によって必要書類が異なりますが、主な例は以下のとおりです。
提出する書類は事業承継の形態によって大きく異なるため、公募要領を確認し、適切な書類を準備してください。
また、すべての形態で実績報告書や事業実施概要報告書などの共通書類も必要です。
【参考】中小企業生産性革命推進事業 事業承継・引継ぎ補助金 専門家活用枠【公募要領】10次公募
補助金の交付は、実績報告書の提出と審査を経ておこなわれます。
補助事業完了日から30日以内、または完了期限日から10日以内の早い日までに実績報告書を提出してください。
事務局による事業内容の検査と経費の確認後、補助金額が確定し、精算払いされます。
ただし注意すべき点として、実績報告に不備があった場合は減額の可能性が高まるでしょう。
また、補助金は受け取った事業年度の収益として計上され、課税対象となります。
【参考】中小企業生産性革命推進事業 事業承継・引継ぎ補助金 専門家活用枠【公募要領】10次公募
事業承継・引継ぎ補助金は、中小企業の事業承継を支援する制度です。
2024年度の10次公募は「専門家活用」枠のみで、7月31日が申請締切となっています。
補助金を活用するには、スケジュール管理とGビズIDプライムアカウント取得・申請書類の準備が重要です。
申請前に公募要領を確認し、自社に合った申請枠と類型を選びましょう。
申請は電子申請システム「jGrants」からおこない、GビズIDプライムアカウントが必要です。
経営革新枠と廃業・再チャレンジ枠では、申請前に認定支援機関に相談することが推奨されます。