IT導入補助金は、中小企業や個人事業主にとって、経費削減と業務効率化を同時に実現する強力な制度です。
特に、日々の経理業務を効率化したいなら、会計ソフトの導入がおすすめです。
会計ソフトの導入で、手作業による入力ミスを減らし、請求書発行や帳簿作成などの業務を大幅に効率化できます。
また、クラウド型の会計ソフトであれば、場所を選ばずに経理業務を進めることができ、リモートワークにも対応可能です。
本記事では、IT導入補助金の概要から、対象となる会計ソフトの紹介、そして実際に補助金を活用して成功した事例まで詳しく解説します。
IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者などが、業務効率化や生産性向上を目的として、ITツールを導入する際に、その費用の一部を補助する制度です。
経済産業省が管轄する本制度は、人手不足の解消とデジタル化の推進を通じて、企業の持続的な成長を支援することを目的としています。
具体的な支援内容としては、会計ソフトやクラウドサービスの導入費用、ハードウェア購入費などが補助対象です。
これにより、中小企業や小規模事業者は、最新のITツールを導入する際の初期費用を大幅に抑えられるでしょう。
IT導入補助金には、いくつかの枠が設けられており、それぞれ補助率や対象となる経費が異なります。
2024年度は以下の5つの補助金枠が用意されています。
【参考】「サービス等生産性向上IT導入支援事業事務局 IT導入補助金2024|交付申請の手引き 通常枠・セキュリティ対策推進枠 インボイス枠(インボイス対応類型・電子取引類型)共通」「交付申請の手引き 複数社連携IT導入枠」
これらの枠を理解し、自社の状況や目的に合った補助金を活用しましょう。
IT導入補助金では、業務効率化や生産性向上に役立つさまざまなITツールが対象となっており、会計ソフトもその一つです。
ここでは、数ある会計ソフトの中から、特に導入実績が多く、機能も充実している主要なクラウド会計ソフトに焦点を当て、その特徴を紹介します。
それぞれのソフトが持つ強みや導入メリットを比較検討し、自社に最適な会計ソフト選びの参考にしてください。
【出典】freee クラウド会計ソフト
freee会計は、請求書作成や帳簿管理を自動化できるクラウド会計ソフトです。
クラウド型会計ソフトのシェアNo.1を誇り、経理の専門知識がなくても簡単に利用できます。
AIによる自動仕訳機能を搭載し、銀行口座やクレジットカード・POSレジ・電子マネーとの連携が可能で、データ入力の手間を大幅に削減できます。
また、確定申告機能も備わっており、個人事業主や中小企業にとって便利な会計ソフトです。
スマートフォンやタブレットからもアクセス可能で、時間や場所を問わず利用できます。
【出典】マネーフォワード クラウド会計|無料で試せる経理・会計ソフト
マネーフォワードクラウド会計は、銀行口座やクレジットカードとの連携に強みを持つクラウド会計ソフトです。
インターネットバンキングやクレジットカードと連携し、取引明細を自動取得する機能を備えています。
人工知能(AI)が勘定科目を学習し、適切な科目の提案で、仕訳作業の効率化を実現します。
また、決算書の自動作成機能や、複数拠点・複数メンバーでのリアルタイムなデータ共有も可能です。
また、スマートフォンアプリも提供されているため、外出先でも経理業務を確認できるなど、利便性も高いです。
【出典】クラウド会計ソフトなら無料で試せる弥生会計オンライン【公式】
弥生会計オンラインは、会計ソフト初心者でも使いやすい操作性と、インボイス制度への対応が特徴です。
簿記の知識がなくても日付や金額を入力するだけで利用できる、初心者に優しい設計が特徴です。
経理の自動化機能により作業時間を90%削減でき、インボイス制度や電子帳簿保存法にも対応しています。
金融機関の明細データを自動取得し、AIによる自動仕訳も可能です。
【出典】OBC|奉行クラウド|会計・経理・労務・販売管理のバックオフィス支援ツール
勘定奉行クラウドは、中堅・大企業向けの会計システムで、経理業務の総合的な効率化を支援します。
取引入力の自動化や経営状況のリアルタイム確認など、現場の負担を軽減する機能を搭載しています。
個別業務の自動化だけでなく、経理業務全体の制度化も可能です。
入力データやExcel情報から学習をおこない、伝票起票を自動化する機能も備えています。
電子納税や電子申告にも対応し、決算時期の負担を大幅に軽減できます。
なお、IT導入補助金2024では、5万円以下の会計ソフトも申請可能で、特にインボイス枠(インボイス対応類型)を利用すれば、会計ソフトだけでなく、パソコンやタブレットなどのハードウェア関連費も補助対象です。
項目 | 通常枠 | インボイス枠(インボイス対応類型) |
補助金額 | 5〜450万円 | 下限なし〜最大350万円 |
補助率 | 1/2以内 | 2/3・3/4・4/5以内 (事業規模や会計ソフトの機能数により異なる) |
対象経費(ソフトウェア等) | ソフトウェア購入費・クラウド利用費・オプション費用、役務費用など | ソフトウェア購入費、ハードウェア関連費(パソコン・タブレット等) |
ハードウェア関連費の補助 | 対象外 | ・パソコンやタブレットなどの購入費が補助対象・補助率:1/2以内・ハードウェア関連費の補助額:10万円以下 |
会計ソフト導入時の留意点 | 会計ソフト単体で申請する場合は、最低でも10万円以上のソフトが必要 | ・5千円や1万円など、低価格帯の会計ソフトでも申請可能 ・パソコン・タブレットの導入も同時申請可※まとめてIT環境を整備したい場合に最適 |
【通常枠】
会計ソフト単体の場合は10万円以上のソフト導入が必要ですが、補助金額の上限が450万円と高めに設定されています。
【インボイス枠(インボイス対応類型)】
ソフトウェアの価格下限がなく、パソコン・タブレットなどのハードウェア補助も受けられるため、小規模事業者やまとめてIT環境を整備したい方に適しています。
【参考】サービス等生産性向上IT導入支援事業事務局 IT導入補助金|補助対象について
IT導入補助金の申請には、いくつかの条件があり、誰でも利用できるわけではありません。
補助対象となるのは、中小企業・小規模事業者・個人事業主・NPO法人などです。
これらの事業者は、大企業と資本関係がないことや、一定の事業規模であることが求められます。
具体的な要件としては、次のものがあげられます。
株式会社・合同会社・合名会社・合資会社など、法人格を有していること。
IT導入補助金には対象となる業種が定められています。製造業、サービス業、小売業など、幅広い業種が対象ですが、詳細な業種は公募要領で確認が必要です。
中小企業、小規模事業者にあるためには、資本金や従業員数に関する要件を満たす必要があります。(資本金3億円以下かつ従業員300人以下)
IT導入補助金は、公募期間が定められています。申請を検討する際は、公募期間や締切日を必ず確認しましょう。
【参考】「サービス等生産性向上IT導入支援事業事務局 IT導入補助金2024|交付申請の手引き 通常枠・セキュリティ対策推進枠 インボイス枠(インボイス対応類型・電子取引類型)共通」「複数社連携IT導入枠」
また、IT導入補助金の申請には、ITツール導入支援事業者との連携が必須です。
ITツール導入支援事業者は、ITツールの選定から申請手続き、導入サポートまで、幅広い支援を提供してくれます。
自社の状況や課題を理解し、最適なITツールを提案してくれるため、補助金を活用したIT導入を成功させるためには、信頼できるITツール導入支援事業者を選ぶことが大切です。
IT導入補助金の申請は、5つのステップを踏む必要があります。
それぞれ、解説します。
まず、自社がIT導入補助金の対象事業者であるかを確認する必要があります。
補助対象者と条件を確認し、自社が要件を満たしているかを確認しましょう。
また、どの申請枠が自社に最適かを検討することも大切です。
次に、IT導入をサポートしてくれるIT導入支援事業者を選びます。
IT導入支援事業者は、ITツールの選定から申請手続き、導入サポートまで幅広い支援をおこなってくれます。
自社の課題や予算を考慮し、信頼できるIT導入支援事業者を選びましょう。
IT導入補助金の申請には、gBizIDプライムのアカウントが必要です。
gBizIDプライムは、経済産業省が提供する認証システムで、さまざまな行政サービスを1つのIDで利用できます。
申請には数週間かかる場合があるため、早めに取得しておきましょう。
情報セキュリティ対策への意識を高めるため「SECURITY ACTION」の宣言が必要となる場合があります。
SECURITY ACTIONの公式サイトで自社の取り組みを宣言し、登録IDを取得しましょう。
IT導入支援事業者と協力し、必要な申請書類を準備します。
申請書類には、事業計画書・見積書・経費内訳などが含まれます。
申請書類の準備が完了したら、IT導入支援事業者を通じて申請をおこないましょう。
申請が採択されたら、交付決定通知書が送付されます。
交付決定通知書を確認後、ITツールの導入や支払い手続きをおこない、実績報告をしましょう。
実績報告が完了すると、補助金が支払われます。
IT導入補助金を活用してクラウド会計ソフトを導入することで、多くの企業が業務効率化やコスト削減を実現しています。
ここでは、補助金を利用して会計ソフトを導入し、実際に成果を上げた企業の事例を紹介します。
成功事例を通じて、IT導入補助金とクラウド会計ソフトの相乗効果を理解し、自社の導入を検討する際の参考にしてください。
ある中小企業では、これまで手作業でおこなっていた経費精算や帳簿管理に多くの時間と労力を費やしていました。
IT導入補助金を活用してクラウド会計ソフトを導入した結果、経費精算はスマートフォンで領収書を撮影するだけで完了し、帳簿管理も自動化。
これにより、経理担当者の業務時間は大幅に削減され、他の業務に集中できるようになっただけでなく、人的ミスも大幅に減少し、正確な経理処理が可能になりました。
複数の店舗を運営するある企業では、各店舗の売上データや経費データがバラバラで、財務管理に課題がありました。
IT導入補助金を活用し、クラウド会計ソフトを導入したことで、各店舗のデータがリアルタイムで集約され、グループ全体の財務状況を一元的に把握できるようになりました。
また、会計ソフトの分析機能によって、各店舗の課題点や改善点も確認できるようにもなり、経営戦略の立案にも役立てられています。
IT導入補助金を活用してクラウド会計ソフトを導入する際は、以下のポイントを考慮するとより効果的です。
自社の規模や業種、経理業務の複雑さなどを考慮して、最適な会計ソフトを選びましょう。無料トライアルを利用するなど、実際に操作感を試してみることも大切です。
IT導入補助金だけでなく、他の補助金や助成金も併用できる場合があります。専門家などに相談し、最適な組み合わせを検討してみましょう。
ITツールを導入するだけでなく、従業員への研修や運用サポート体制も整備しましょう。効果的な活用には、従業員の理解と協力が不可欠です。
これらのポイントを踏まえることで、IT導入補助金を最大限に活用でき、自社の成長につながるでしょう。
IT導入補助金は、クラウド会計ソフトの導入コストを大幅に軽減できる有効な支援制度です。
インボイス対応類型では5千円からの小規模な会計ソフトも対象となり、パソコンやタブレットなどのハードウェアも同時に申請できます。
ただし、補助金の申請には認定を受けたIT導入支援事業者との連携が必須で、申請要件や手続きも細かく定められています。
まずは自社の経営課題を整理し、その解決に最適な会計ソフトを選定することが重要です。
IT導入補助金の活用を検討している方は、IT導入支援事業者に相談しましょう。
支援事業者は申請書類の作成支援だけでなく、導入後の運用サポートまで一貫してサポートしてくれます。
会計ソフトの導入を通じた業務効率化を実現しましょう。
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