人材開発支援助成金の「人への投資促進コース」が2024年4月から大幅に拡充され、より利用しやすい制度となりました。
これは、企業のデジタル化や成長分野での人材育成ニーズに応えつつ、従業員の自発的な能力開発を促進するためです。
具体的には、長期教育訓練休暇制度での時間単位の取得が可能になり、自発的職業能力開発訓練の訓練時間要件が20時間から10時間に緩和されました。
さらに、高度デジタル人材訓練では、DX推進スキル標準レベル3・4の資格取得を目指す訓練も助成対象で、最大で経費助成75%・賃金助成960円/時が受けられます。
本記事では、2024年4月からの制度改正のポイントと、申請手続きの具体的な流れを、中小企業の経営者や人事担当者向けに徹底解説します。
人材開発支援助成金のなかでも「人への投資促進コース」は、従業員の職業能力を向上させるための訓練に助成金を提供する制度です。
デジタル化や成長分野での訓練を支援し、最大2,500万円の助成を受けられます。
このコースは、企業におけるDX推進や人材育成の加速化を目的とした期間限定の助成制度です。
国民からの提案を具現化し、令和4年度から令和8年度までの5年間の時限措置として実施されています。
【参考】厚生労働省|令和6年度版パンフレット(人への投資促進コース)詳細版(R6.10.1~)
本コースの最大の特徴は、従業員のスキル向上を目的とした多様な訓練形態に対応することです。
従来型の集合研修だけでなく、eラーニングやサブスクリプション型の定額制訓練など、さまざまな学習形態が助成対象です。
また、高度デジタル人材訓練では、ITSSやDX推進スキル標準(DSS-P)のレベル3・4に該当する資格取得を目指す訓練も対象で、企業のDX推進に必要な人材育成を支援します。
中小企業向けのバックアップは充実しており、経費の最大75%が助成され、賃金補助も時給960円まで受けられます。
【参考】厚生労働省|令和6年度版パンフレット(人への投資促進コース)詳細版(R6.10.1~)
本コースは、急速に進展するデジタル化やAIの普及、さらには成長分野における人材不足という課題に対応するために設立されました。
企業がDXや新規事業に取り組む際に必要となる人材育成を支援することで、企業の競争力向上が期待できるでしょう。
制度活用のメリットには、生産性の向上・従業員のスキルアップ、そして自発的な能力開発の促進があります。
さらに、長期教育訓練休暇制度の導入により、モチベーション向上と定着率改善も期待できます。
また、2024年4月からの制度改正により、より使いやすい制度となり、企業の人材育成戦略に柔軟に対応可能です。
【参考】厚生労働省|令和6年度版パンフレット(人への投資促進コース)詳細版(R6.10.1~)
【参考】厚生労働省|令和6年4月から、人材開発支援助成金(人への投資促進コース)長期教育訓練休暇制度・自発的職業能力開発訓練を拡充します。
人への投資促進コースでは、企業の人材育成ニーズに応える5つの訓練メニューを用意しています。
①高度デジタル人材訓練/成長分野等人材訓練
②情報技術分野認定実習併用職業訓練
③定額制訓練
④自発的職業能力開発訓練
⑤長期教育訓練休暇等制度
近年では、デジタルスキルや成長分野でのスキル開発が重視されており、企業がデジタル変革(DX)を推進するために必要な人材を効率的に育成する仕組みが整っています。
また、サブスクリプション型の研修や従業員の自発的な学びの支援も対象とするなど、柔軟な訓練形態をサポートしています。
【参考】厚生労働省|令和6年度版パンフレット(人への投資促進コース)詳細版(R6.10.1~)
AIやデジタル技術に関するスキル習得を目的とした訓練です。
高度なデジタル人材の育成を目指し、ITスキル標準(ITSS)やDX推進スキル標準(DSS-P)レベル3・4の取得を目標とする講座などが対象です。
本コースは、企業のデジタル化に必要な人材育成を支援し、デジタルトランスフォーメーション(DX)推進に貢献するスキルを持つ人材の育成を目的としています。
【参考】厚生労働省|令和6年度版パンフレット(人への投資促進コース)詳細版(R6.10.1~)
定額制訓練として、サブスクリプション型の研修サービスによる学習も助成対象です。
eラーニングや同時双方向型の通信訓練など、時間や場所にとらわれない柔軟な学習形態を通じて、従業員の効率的なスキルアップを支援します。
受講者1人1月あたり2万円を上限として経費助成を受けられ、中小企業では最大60%の助成率が適用されます。
【参考】厚生労働省|令和6年度版パンフレット(人への投資促進コース)詳細版(R6.10.1~)
2024年4月からの制度改正により、自発的職業能力開発訓練がより使いやすくなりました。
訓練時間の要件が20時間以上から10時間以上に緩和され、職務関連以外の訓練も助成対象です。
従業員が自己啓発に取り組む際の経費を企業が負担する場合、中小企業では最大60%の助成を受けられます。
【参考】厚生労働省|令和6年度版パンフレット(人への投資促進コース)詳細版(R6.10.1~)【参考】厚生労働省|令和6年4月から、人材開発支援助成金(人への投資促進コース)長期教育訓練休暇制度・自発的職業能力開発訓練を拡充します。
長期教育訓練休暇制度も、2024年4月から大幅に使いやすくなりました。
従来は連続30日以上の取得が必要でしたが「1日単位の休暇を10日以上連続で1回以上取得し、合計30日以上取得すること」に要件が緩和されました。
さらに、時間単位での取得も可能。
企業規模を問わず制度導入時に、20万円の助成金が支給されます。
有給の教育訓練休暇を付与する場合は、中小企業では1時間あたり960円の賃金助成も受けられ、従業員の計画的なスキルアップを支援してもらえます。
【参考】厚生労働省|令和6年度版パンフレット(人への投資促進コース)詳細版(R6.10.1~)
【参考】厚生労働省|令和6年4月から、人材開発支援助成金(人への投資促進コース)長期教育訓練休暇制度・自発的職業能力開発訓練を拡充します。
「人への投資促進コース」を利用するには、企業や従業員が一定の条件を満たしている必要があります。
企業がこのコースを活用するには、労働保険への加入や適切な事業計画が求められ、助成対象となる訓練も企業の成長や従業員のキャリアアップに貢献することが条件です。
さらに、従業員の対象範囲も広く、正社員だけでなく契約社員やパートタイム労働者も含まれます。
ここでは、企業や従業員が助成を受けるために満たしたい、具体的な条件を解説します。
まず、雇用保険適用事業所であることが基本条件です。
企業規模による制限はなく、中小企業から大企業まで幅広く利用できます。
ただし、以下の条件を満たす必要があります。
【参考】厚生労働省|令和6年度版パンフレット(人への投資促進コース)詳細版(R6.10.1~)
また、高度デジタル人材訓練を実施する場合は、情報通信業や、DX認定を受けているなどの追加要件があります。
助成金の対象となる労働者は、原則として雇用保険の被保険者です。
雇用形態による制限は少なく、以下の労働者が対象です。
【参考】厚生労働省|令和6年度版パンフレット(人への投資促進コース)詳細版(R6.10.1~)
なお、訓練コースによって追加の要件があります。
例えば、情報技術分野認定実習併用職業訓練では、訓練開始時の年齢は、15歳以上45歳未満。
また、成長分野等人材訓練では、海外の大学院で訓練をおこなう場合、一定以上の語学力や学歴が求められます。
対象労働者が訓練を受講する際は、実訓練時間数の8割以上の受講が必要です。
ただし、特定の訓練機関での受講の場合や、eラーニング・通信制による訓練の場合は、修了証の発行をもってこの要件を満たしたものとみなされます。
人への投資促進コースを活用するためには、訓練開始前の計画届から訓練実施後の支給申請まで、段階的な手続きが必要です。
2024年4月からは一部の添付書類が簡素化され、より申請しやすくなりました。
ここでは、具体的な申請の流れと必要書類について解説します。
人材開発支援助成金「人への投資促進コース」の申請は、以下の手順で進めます。
事前準備段階
計画届の提出
訓練実施期間
支給申請手続き
【参考】厚生労働省|令和6年度版パンフレット(人への投資促進コース)詳細版(R6.10.1~)
【参考】厚生労働省|令和6年4月から、人材開発支援助成金(人への投資促進コース)長期教育訓練休暇制度・自発的職業能力開発訓練を拡充します。
助成金の申請手続きは、訓練計画の作成から始めましょう。
企業は従業員のスキルアップを目的とした訓練内容を具体的に計画し、それを訓練計画書にまとめ、厚生労働省に提出します。
計画が承認されると、次に実際の訓練を実施し、訓練終了後に支給申請をおこないます。
支給申請には、訓練が計画どおりに実施されたことと、訓練費用の証明が必要です。
申請プロセスは全体的に時間を要するため、計画から実施、申請までのスケジュール管理が重要です。
申請に必要な書類は多岐にわたります。
主な書類をまとめました。
【申請時の注意点】
【参考】厚生労働省|令和6年度版パンフレット(人への投資促進コース)詳細版(R6.10.1~)
【参考】厚生労働省|令和6年4月から、人材開発支援助成金(人への投資促進コース)長期教育訓練休暇制度・自発的職業能力開発訓練を拡充します。
各書類は厚生労働省のホームページからダウンロード可能です。
これらの書類は、不備なく正確に作成しましょう。
書類不備があると、申請が遅れ、最悪の場合は助成金が支給されない可能性もあります。
提出前に必ず内容を確認し、不明な点があれば、専門家に相談しましょう。
人材開発支援助成金の「人への投資促進コース」は、企業のデジタル人材育成を強力に支援する重要な制度です。
令和4年度から令和8年度までの期間限定で実施されており、企業の人材育成ニーズに幅広く対応しています。
本コースの主な特徴は、高度デジタル人材の育成から従業員の自発的な能力開発まで、多様な訓練形態に対する助成を提供している点です。
特に助成率が高く設定されていて、中小企業では最大75%、大企業でも最大60%の助成を受けることができます。
また、一事業所あたりの助成額も年間最大2,500万円と充実。
企業の人材育成をしやすくします。
本制度を効果的に活用するためには、いくつかの重要なポイントがあります。
まず、訓練計画の策定から申請までの準備を早期に開始させましょう。
また、自社の人材育成ニーズに合わせて適切な訓練形態を選択し、各種要件を確実に満たすことも重要です。
これで、従業員のキャリア形成と企業の競争力向上を同時に実現が可能です。
このように、人への投資促進コースを戦略的に活用することで、企業は人材育成にかかるコストをおさえながら、効果的なデジタル人材の育成ができます。
2024年4月からの制度改正で、さらに使いやすい制度になりました。
ぜひ、この助成金制度を活用し、企業と従業員の成長を実現しましょう。
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