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事業再構築補助金 第10回以降はどう変わった?最新第12回公募スケジュールも含めて徹底解説!
事業再構築補助金 第10回以降はどう変わった?最新第12回公募スケジュールも含めて徹底解説!
補助金
2024.06.22
事業再構築補助金
変更点
第12回
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コロナ禍の影響が長引く中、多くの企業が業績悪化や事業転換を迫られています。

そこで活用したいのが、経済産業省が実施する事業再構築補助金です。

事業再構築補助金は、中小企業が新しい事業に挑戦するための費用を補助する制度です。

2021年から開始され、企業の事業再生や成長を後押ししてきました。

第10回公募以降は、より多くの企業を支援するために新たな枠組みが導入され、要件が緩和されるなど大幅な変更がおこなわれています。

特に、成長枠の創設・グリーン成長枠の拡充・サプライチェーン強靭化枠の新設などは多くの企業にとって大きなチャンスでしょう。

本記事では、第10回以降の事業再構築補助金の変更点を中心に、最新の第12回公募スケジュールや応募方法までを解説していきます。

事業再構築補助金とは

事業再構築補助金は、中小企業庁が提供する補助金制度です。

コロナ禍などの影響を受けた企業や、新たな需要の取込みや販路開拓に挑戦する中小企業を支援します。

具体的には、事業計画が認定された中小企業が設備投資・システム導入・広告宣伝などをおこなう際の費用の一部を補助します。

第10回以降の補助金は新たな枠組みになり、要件が緩和されたり新たな類型が追加されたりする変更がおこなわれました。

以下に、第12回以降と第9回の比較表をまとめます。

事業再構築補助金の比較(第12回以降と第9回)

項目第12回以降第9回
類型・成長分野進出枠(通常類型)・成長分野進出枠(GX進出類型)・コロナ回復加速化枠(通常類型)・コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)・卒業促進上乗せ措置・中長期大規模賃金引上げ促進上乗せ措置・通常枠・大規模賃金引上枠・回復/再生応援枠・最低賃金枠・グリーン成長枠・緊急対策枠
対象中小企業・中堅企業中小企業・中堅企業
補助上限原則1,500万円~8,000万円最大1.5億円(類型・従業員規模・賃上げ状況による)原則2,000万円~1億円最大1.5億円(類型・従業員規模による)
補助率原則1/2~3/4(類型、従業員規模・賃上げ状況・債務借り換えの有無による)原則1/2~3/4(類型・従業員規模・補助金額による)

【参考】事業再構築補助金【サプライチェーン強靱化枠を除く】公募要領(第12回)

【参考】事業再構築補助金 公募要領(第9回)

変更点は以下のとおりです。

  • 第9回まではコロナ禍の影響を大きく受けた企業への支援が中心であったのに対し、第12回ではコロナからの回復やポストコロナを見据えた事業再構築への支援へとシフトしています。
  • 具体的な枠組みとして、第12回では「成長分野進出枠」「コロナ回復加速化枠」など、より時代の変化に対応した枠組みが新設されています。
  • 補助上限額や補助率は、第12回では従業員規模に加え、賃上げ状況や債務借り換えの有無なども考慮されます。

詳細については、事業再構築補助金【サプライチェーン強靱化枠を除く】第12回公募要項をご覧ください。

 第10回以降の事業再構築補助金のポイント

第10回公募以降の事業再構築補助金は、コロナ禍の回復と成長を強力に支えるため新しい枠組みが導入されました。

以下、主な変更点をご紹介します。

成長枠(旧通常枠)の売上高減少要件の撤廃

従来の「通常枠」が廃止され、その代わりに「成長枠」が新設されました。

成長枠の最大の特徴は、売上高減少要件が撤廃されほぼ全ての中小企業が対象になる点です。

売上高の減少がなくても、成長分野に向けた事業再構築を目指す中小企業が支援を受けやすくなりました。

成長枠では、事業再構築に取り組む事業者に対し以下の必須要件が設定されています。

  1. 取り組む事業の市場規模が過去から今後のいずれか10年間で10%以上拡大する業種・業態に属していること。
  1. 事業終了後3~5年で、付加価値額の年率平均3.0~5.0%(申請枠により異なる)以上の増加、または従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0~5.0%(申請枠により異なる)以上の増加を達成すること。

市場規模の拡大が見込まれる業種・業態に絞ることで、成長分野に対する支援を強化しています。

AI・IoT・環境関連技術など、未来に向けた成長が期待される分野が対象です。

成長枠の補助金額と補助率については、従業員規模に応じて以下のように設定されています。

従業員数補助金額
20人以下2,000万円(中小企業は1/2、大規模な賃上げを行う場合2/3)
21~50人4,000万円
51~100人5,000万円
101人以上7,000万円

【参考】中小企業庁 事業再構築補助金 令和4年度第二次補正予算の概要

また、事業終了時点で事業場内最低賃金が45円以上・給与支給総額が6%以上増加することが求められます。

企業の成長だけでなく、従業員の賃金アップも重要なポイントです。

さらに、次のような事業者は上乗せ枠(卒業促進枠や大規模賃金引上促進枠)への同時応募も可能です。

  • 事業実施期間中に中小企業から中堅企業へ成長する事業者
  • 継続的な賃金引上げを行うとともに従業員を増加させる事業者

この成長枠の導入で従来よりも幅広い企業に対する支援を提供し、成長分野への積極的な投資を促進しています。

詳細については中小企業庁 事業再構築補助金 令和4年度第二次補正予算の概要で確認ができます。

グリーン成長枠の要件が緩和

グリーン成長枠では、従来の要件に加えて「エントリー」が新設されて多くの企業が活用しやすくなりました。

従来の要件は「スタンダード」として引き続き利用できます。

主な変更点は下記の通りです。

  • 研究開発期間の短縮
    スタンダードでは2年以上必要だった研究開発期間が、エントリー枠では1年以上で申請可能になりました。
  • 研究開発・人材育成対象者の割合緩和
    従業員に占める研究開発・人材育成対象者の割合が、スタンダードでは10%以上だったのに対し、エントリー枠では5%以上に緩和されました。

従来の要件と新設されたエントリー枠の要件は以下のとおりです。

<現行(スタンダード)>
①補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均5.0%以上増加又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均5.0%以上増加の達成を見込む事業計画を策定すること
②グリーン成長戦略「実行計画」14分野に掲げられた課題の解決に資する取組であり、2年以上の研究開発・技術開発又は従業員の10%以上が年間20時間以上の人材育成をあわせて行うこと

<今後>必須要件に加え、以下の要件を満たすこと
【エントリー】(必須要件Bについては、付加価値額の年率平均4.0%以上増加を求める。)
①グリーン成長戦略「実行計画」14分野に掲げられた課題の解決に資する取組として記載があるものに該当し、その取組に関連する1年以上の研究開発・技術開発又は従業員の5%以上に対する年間20時間以上の人材育成をあわせて行うこと
②事業終了後3~5年で給与支給総額を年率平均2%以上増加させること

【スタンダード】(必須要件Bについては、付加価値額の年率平均5.0%以上増加を求める。)
①グリーン成長戦略「実行計画」14分野に掲げられた課題の解決に資する取組として記載があるものに該当し、その取組に関連する2年以上の研究開発・技術開発又は従業員の10%以上に対する年間20時間以上の人材育成をあわせて行うこと
②事業終了後3~5年で給与支給総額を年率平均2%以上増加させること

【引用】中小企業庁 事業再構築補助金 令和4年度第二次補正予算の概要「グリーン成長枠の拡充」

この変更で多くの企業がグリーン成長枠を活用し、環境配慮と経済成長の両立を図ることが期待されています。

大幅賃上げ・成長に関する上乗せ枠の新設

事業再構築補助金では、従業員の賃金引上げや事業規模の拡大を積極的に推進させる目的があります。

そこで成長枠またはグリーン成長枠に申請する事業者を対象に、2つの上乗せ枠が新設されました。

  • 卒業促進枠
    中小企業から中堅企業への成長、または特定事業者・中堅企業からの規模の卒業を目指す事業者を対象とした枠組み。
  • 大規模賃金引上促進枠
    継続的な賃金引上げと従業員数の増加に取り組む事業者を対象とした枠組み。

事業終了後3~5年で給与支給総額を年率平均2%以上増加させることを基準として、成長枠またはグリーン成長枠の補助上限額に加え上乗せ補助が受けられます。

ただし、卒業促進枠と大規模賃金引上促進枠の両方を同時に利用はできません。

積極的に賃上げに取り組む企業を支援することで、従業員に還元される仕組みが強化されました。

産業構造転換枠の新設

国内市場の縮小や産業構造の変化により事業再構築が強く求められる業種・業態の事業者を支援する「産業構造転換枠」が新設されました。

この枠組みの特徴は、以下の2点です。

  • 補助率の引上げ
    他の枠組みと比べて、補助率が中小企業で2/3・中堅企業で1/2と高く設定されています。
  • 廃業費用の補助
    対象経費に廃業費用が追加され、最大2,000万円まで補助が受けられます。

産業構造転換枠の対象となる事業者は、以下のいずれかの要件を満たしている必要があります。

①過去~今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上縮小する業種・業態に属していること
②地域における基幹大企業が撤退することにより、市町村内総生産の10%以上が失われると見込まれる地域に属しており、当該基幹大企業との直接取引額が売上高の10%以上を占めること

【引用】中小企業庁 事業再構築補助金 令和4年度第二次補正予算の概要「産業構造転換枠の創設」

従来の事業の縮小や廃業をともなう場合でも、新たな事業展開に挑戦できる手厚い支援が用意されています。

最大5億円のサプライチェーン強靭化枠の新設

「サプライチェーン強靭化枠」は、海外部品の国内回帰と地域産業活性化を目指す事業者向けに新設されました。

この枠では最大5億円という高額な補助金が支給され、大規模な事業再構築も可能になります。

コロナや物価高で業況が厳しい企業への支援

コロナ禍や物価高騰の影響が長期化する中、厳しい状況におかれている事業者への支援を継続するため「物価高騰対策・回復再生応援枠」が新設されました。

これは、第9回公募まであった「回復・再生応援枠」と「緊急対策枠」を統合したものです。

売上高減少要件は、以下のように緩和されています。

①2022年1月以降の連続する6ヶ月間のうち、任意の3ヶ月の合計売上高が、2019~2021年と比較して10%以上減少していること

【引用】中小企業庁 事業再構築補助金 令和4年度第二次補正予算の概要「業況が厳しい事業者への支援」

従来は、前年または前々年同月比での売上高減少が条件でしたが柔軟に対応できるようになりました。

また、売上高減少要件については付加価値額での評価も可能です。

※売上高減少要件については、付加価値額(売上高×1.5)減少で代替可能

【引用】中小企業庁 事業再構築補助金 令和4年度第二次補正予算の概要「業況が厳しい事業者への支援」

売上高が減少せずとも、原材料費やエネルギーコストの上昇で収益が悪化した場合は事業再構築補助金の活用が可能です。

事業再構築補助金は、厳しい状況下にある事業者を多角的に支援することで、事業の回復と成長を後押しします。

過去に採択された事業者の2回目の申請が一部可能に

事業再構築補助金は原則1回限りです。

しかし、一定条件下でグリーン成長枠・産業構造転換枠・サプライチェーン強靭化枠に対する2回目の申請が可能になりました。

これにより、事業のさらなる発展や新たな挑戦を後押しします。

ただし、支援を受けられるのは2回までです。

事前着手制度の対象期間の見直し等

交付決定前に事業に着手できる事前着手承認制度について、対象期間が見直されました。

また、対象となる事業類型も変更されています。

詳細については、事業再構築補助金事務局のホームページで最新情報を確認するようにしてください。

第12回事業再構築補助金のスケジュール

第12回事業再構築補助金のスケジュールは、事業再構築補助金事務局のホームページで最新情報を確認するようにしてください。

▶︎ 最新スケジュール→ 事業再構築補助金 スケジュール

【関連記事】記事構成_「事業再構築補助金 スケジュール」

まとめ

事業再構築補助金は第10回公募以降、新たな枠組みの導入や要件の緩和など大幅な見直しがおこなわれました。

積極的な挑戦を後押しする枠組みと、コロナや物価高による厳しい状況の事業者への細かな支援が用意されています。

補助金を活用することで、社会変化に対応し乗り越えることが可能です。

未来への一歩を踏み出し、確固たる成長を実現していきましょう。

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