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ものづくり補助金の採択率は? 採択率を上げる完全ガイド
ものづくり補助金の採択率は? 採択率を上げる完全ガイド
補助金
2024.06.20
ものづくり補助金
採択率
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ものづくり補助金は、中小企業や小規模事業者が革新的な製品・サービスの開発や生産プロセスの改善に取り組む際に活用できる国の支援制度です。

しかし、申請件数の増加にともない、採択率は変動しています。

本記事では、ものづくり補助金の採択率の推移と申請枠ごとの採択率の実態を公開データに基づいて解説します。

さらに、採択率を高めるための重要なポイントについても詳しくご紹介いたします。

ものづくり補助金の申請をご検討中の方、採択率アップを目指している方は、ぜひ最後までご覧ください。

ものづくり補助金とは?

ものづくり補助金は、中小企業や小規模事業者の生産性向上を目的とした革新的な製品・サービス開発や生産プロセスの省力化を支援する制度です。

補助金額は最大1億円、補助率は1/2・1/3・2/3のいずれかで、大規模かつ高額な設備投資にも活用できます。

申請には事業計画書などの書類提出が必要で、審査を経て採択される仕組みです。

ものづくり補助金は、中小企業を対象にした幅広い支援を通じて、景気刺激策としての役割が期待されており、日本企業の99%以上がこれに該当します。

ものづくり補助金には、具体的にさまざまな申請枠が用意されています。

ものづくり補助金の申請枠とは?

ものづくり補助金には、申請要件別に3つの枠2つの類型が設けられています。

1. 省力化(オーダーメイド枠)

この枠は、人手不足の解消を目的としており、デジタル技術などを活用した専用設備(オーダーメイド設備)の導入を支援します。

これにより、革新的な生産プロセスやサービス提供方法を通じて事業の効率化や高度化を図るための設備・システム投資が可能となります。

補助金額の上限は最大8,000万円で、補助率は最大2/3です。

申請には、労働生産性の向上や投資回収可能な事業計画の策定・外部Sierとの保守・メンテナンス契約締結などの追加要件が設けられています。

2. 製品・サービス高付加価値化枠

この枠には、通常類型成長分野進出類型(DX・GX)の2つの類型があります。

通常類型

通常類型は、革新的な製品・サービス開発の取り組みに必要な設備やシステム投資などを支援するものです。補助金額の上限は、従業員数に応じて750万円から1,250万円まで、補助率は中小企業で1/2、小規模企業者・小規模事業者・再生事業者で2/3となります。申請には、売上高の10%以上となる事業計画の策定などの要件があります。

成長分野進出類型(DX・GX)
成長分野進出類型(DX・GX)は、今後成長が見込まれるDX・GX分野に資する革新的な製品・サービス開発の取り組みを支援するものです。補助金額の上限は、従業員数に応じて1,000万円から2,500万円まで、補助率は2/3となります。申請には、DXやGXに関連する開発であることが要件となります。

3. グローバル枠

グローバル枠は、海外事業を実施し、国内の生産性を高める取り組みに必要な設備・システム投資などを支援するもので、最大3,000万円と大きな補助金額が特徴です。

補助対象となる海外事業には、直接投資・海外市場開拓(輸出)・インバウンド対応・海外企業との共同事業の4つの条件が定義されており、それぞれに追加要件が設定されています。

例えば、直接投資の場合、国内事業所においても海外事業と一体的な機械装置などの取得や設備投資が必要となります。

各枠・類型の詳細な要件と提出書類については、専門家と相談しながら申請を準備することが重要です。

ものづくり補助金の活用は、中小企業の生産性向上と革新的な取り組みを促進し、日本経済の活性化につながると期待されます。

【参考】ものづくり補助事業公式ホームページ

ものづくり補助金の申請要件は?

 ものづくり補助金の申請要件を簡潔にまとめると以下のとおりです。

  • 給与支給総額の増加
    事業計画期間中に給与支給総額を年平均成長率1.5%以上増加させること
  • 最低賃金の引き上げ
    事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上に毎年引き上げること
  • 付加価値額の増加
    全体の付加価値額を年平均成長率3%以上増加させること

申請時には事業計画に基づいた賃金引上げ計画の策定が確認され、計画が未達成の場合は補助金の返還が必要です。

再生事業者の場合、目標未達成でも返還が免除されることがあります。

ものづくり補助金の申請要件を満たすことは重要ですが、実際に補助金を獲得するには、申請内容の優位性も問われます。

そこで、次はものづくり補助金の採択率について詳しく見ていきましょう。

ものづくり補助金の採択率

ものづくり補助金の採択率について、①採択率の推移と②申請枠ごとの採択率の傾向を説明します。

① 採択率の推移

ものづくり補助金の採択率は、1次締切から16次締切までの推移を見ると、30%台から60%台の間で変動しています。

特に4次締切では申請件数が10,312件と大幅に増加したため、採択率は30.8%と大きく低下しました。

その後、8次締切以降はおおむね50%〜60%台で推移。

直近の15次締切では50.2%、16次締切では48.8%と再び50%を下回る水準となっています。

② 申請枠ごとの採択率

直近の第16次締切における申請枠別の採択率は以下のとおりです。

枠種採択率
通常枠51.1%
回復型賃上げ・雇用拡大枠45.2%
デジタル枠46.4%
グリーン枠39.2%
グローバル市場開拓枠29.4%
全体の採択率48.8%

【参考】ものづくり補助事業公式ホームページ

全体の採択率は48.8%ですが、申請枠によって採択率にばらつきがあることがわかります。

特にグローバル市場開拓枠の採択率は29.4%と他の枠に比べて低くなっています。

一方、通常枠の採択率は51.1%と比較的高い水準です。

このように、ものづくり補助金の採択率は申請件数の増減によって大きく変動し、直近では50%を下回る水準で推移しています。

また、申請枠ごとに採択率の差があり、グローバル市場開拓枠は他の枠と比べて採択が難しい傾向にあるといえるでしょう。

補助金の活用を検討する際は、自社の事業内容や計画が各申請枠の目的に合致しているかを吟味し、丁寧な事業計画を策定することが重要です。

そこで、採択率を上げるための具体的な取り組みが求められます。

採択率を上げるためにできることは?

採択率を上げるためには、事業計画書のなかで、審査項目に沿った詳細な記述が重要です。

特に、製品・サービスの革新性や優位性、課題解決の手法、実現可能性、費用対効果などを具体的に示すことが求められます。

また、加点項目への取り組みも有効です。

具体的な対策としては、審査項目に沿った丁寧な計画作りと加点項目に注視することです。

それぞれ解説します。

審査項目に沿った計画を作る

事業計画書を作成する際は、以下の審査項目に沿って、自社の取り組みの特長を詳細かつ論理的に説明することが重要です。

基本的な審査項目は以下のとおりです。

【書面審査】

審査項目主な着眼点
(1)補助対象事業としての適格性対象事業・対象者・申請要件などを満たしているか
(2)技術面製品・サービスの革新性・課題解決の明確性・優位性
(3)事業化面実施体制・資金調達・市場ニーズ・事業化計画の妥当性
(4)政策面地域経済への貢献・イノベーション創出・事業環境変化への対応
(5)大幅な賃上げに取り組むための事業計画の妥当性賃上げ計画の具体性・妥当性・人材育成等の取り組み
(6)加点項目各種認定取得や宣言・プログラム参加など
(7)減点項目過去の補助金交付歴・収益納付の未実施

【口頭審査】

  • 事業の適格性・革新性・優位性・実現可能性等
  • 申請に係る意思決定の背景や事前のマーケティング調査など

【参考】ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業 公募要領(18次締切分)1.1版

各項目について、自社の強みを最大限にアピールできるよう、定量的なデータを交えて説明することが重要です。

技術面では革新性・優位性を示すデータを、事業化面では市場ニーズの裏付けを盛り込むのが効果的です。

また、政策面では地域経済への貢献度合いや、イノベーション創出への取り組みを強調しましょう。

加点項目を多く満たすこと

ものづくり補助金の採択率を上げるためには、加点項目をより多く満たすことが有効です。

ものづくり補助事業公式ホームページで公開されているデータによると、加点項目を3個以上取得した事業者の採択率が、0〜2個の事業者よりも高くなっています。

省力化(オーダーメイド)枠では最大6項目の加点申請が可能ですが、特に以下の3つは取り組みやすくおすすめです。

  1.  パートナーシップ構築宣言(応募締切日前日までにポータルサイトで宣言を公表)
  2. 事業継続力強化計画の認定(有効な期間の認定を取得)
  3. 賃上げ加点(一定の基準以上の賃上げ計画を事務局に誓約)

加点項目の取得には一定の時間と準備が必要なものもあるため、計画的に取り組むことが採択率向上のカギとなります。

一方で、採択率を下げてしまう減点項目にも注意を払う必要があります。

減点項目に注意

ものづくり補助金の申請にあたっては、減点項目に該当しないよう注意が必要です。

審査時に減点の対象となる項目は以下の2つです。

  1. 応募締切日から過去3年間に、ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業の交付決定を1回受けている場合(過去3年間で2回以上の交付決定を受けた事業者は申請対象外)
  2. 令和元年度補正予算ものづくり補助金以降に交付決定を受けているが、収益納付をしていない事業者

これらの項目に1つでも該当すると減点となり、採択率が下がる可能性があります。

過去の補助金交付歴や収益納付の状況を確認し、減点項目に該当しないことを確認してから申請しましょう。

万が一該当する場合は、採択率を上げるために加点項目の取得に注力することをおすすめします。

まとめ

ものづくり補助金は、中小企業や小規模事業者の生産性向上を目的とした革新的な取り組みを支援する制度です。

採択率は近年50%前後で推移しており、申請枠によって差があります。

採択率を上げるためには、審査項目に沿った丁寧な事業計画の策定と、加点項目への積極的な取り組みが重要です。

特に加点項目は3つ以上の取得で採択率が大きく上昇するため、パートナーシップ構築宣言や事業継続力強化計画の認定取得、賃上げ加点への対応がおすすめです。

一方で、過去の補助金交付歴や収益納付の未実施など、減点項目にも注意が必要です。

ものづくり補助金の活用を検討する際は、自社の事業内容や計画を見直し、採択率向上のポイントを押さえた申請を心がけましょう。

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