IT導入補助金(サービス等生産性向上IT導入支援事業)とは、中小企業や個人事業主などの小規模事業者を対象にITツールの導入をサポートする補助金です。
具体的には会計ソフト・クラウドシステム・セキュリティ対策ツールなど、生産性向上や業務効率化に寄与するITツールの導入費用などに対して利用できます。
しかし、スケジュールや申請方法を知らなければ、補助金をもらうことはできません。
そこで本記事では、小規模事業者の方向けに2024年におけるIT導入補助金のスケジュールを解説します。
また、申請・手続き方法や3つの申請枠についても紹介します。
ITツールの導入を検討している、IT導入補助金のスケジュールが知りたい方はぜひご覧ください。
2024年のIT導入補助金の受付スケジュールは、2023年12月28日発表時点の情報だと2月16日から開始される予定となっています。(変更の可能性もあります。)
【引用】中小企業庁
現時点でも大まかなスケジュールは発表されているものの、まだ「予定」となっているものが多く確定しているわけではありません。
そのため、以下では2023年度のスケジュールを紹介します。
昨年末までが申請期限であったIT導入補助金2023年度のスケジュールをまとめました。
申請枠 | 申請締切日 | 交付決定日 |
通常枠 | 2024年12月25日 (月) 17:00 (9次) | 2024年1月29日 (月) (予定) |
セキュリティ対策推進枠 | 2023年12月25日 (月) 17:00 (9次) | 2024年1月29日 (月) (予定) |
デジタル化基盤導入枠 | 2023年12月25日 (月) 17:00 (15次) | 2024年1月29日 (月) (予定) |
2023年度は通常枠・セキュリティ対策推進枠で計9回、デジタル化基盤導入枠で計15回の募集が行われています。
【引用】株式会社これから|COREKARA
2023年のIT導入補助金には3つの枠が設けられています。
通常枠とは、業務効率化・売上向上を目的とするITツールの導入費用を支援するための申請枠です。
またデジタル化基盤導入類枠とは、インボイス制度の導入に対して企業間取引のIT化を支援するための申請枠。
そしてセキュリティ対策推進枠とは、企業のサイバーセキュリティ対策h時ようを支援するための申請枠です。
それぞれの申請枠について、より詳しく解説します。
通常枠は業務効率化・売上向上を支援するための申請枠ですが、A類型とB類型に分かれています。
それぞれ目的は同じですが、補助金額とプロセス数(※)が異なる枠です。
※業務工程や業務種別を指す。
通常枠のITツール導入要件は以下の通りです。
業務プロセス | 共通プロセス | 共P-01 | 顧客対応・販売支援 |
共P-02 | 決済・債権債務・資金回収管理 | ||
共P-03 | 調達・供給・在庫・物流 | ||
共P-04 | 会計・財務・経営 | ||
共P-05 | 総務・人事・給与・労務・教育訓練・法務・情シス | ||
業種特化型プロセス | 各業種P-06 | 業種固有プロセス | |
汎用プロセス | 汎P-07 | 汎用・自動化・分析ツール (業種・業務が限定されないが生産性向上への寄与が認められる業務プロセスに付随しない専用のソフトウェア) |
【引用】IT導入補助金HP
A類型の場合には、共P-01~各業種P-06から1つ以上のプロセスを担うITツールを選ばなければなりません。
またB類型の場合には、共P-01~汎 P-07から必ず4つ以上のプロセスを担うITツールを選ぶ必要がありますので注意しましょう。
デジタル化基盤導入類枠は、2023年の10月から始まったインボイス制度に対応して設けられた企業間取引のデジタル化を推進するための申請枠です。
そんなデジタル化基盤導入類枠の概要は以下の通り。
種類 | デジタル化基盤導入類型 | |
補助額 | ITツール | |
5万円~350万円 | ||
内、5万円~50万円以下部分 | 内、50万円超~350万円部分 | |
機能要件 | 会計・受発注・決済・ECのうち1機能以上 | 会計・受発注・決済・ECのうち2機能以上 |
補助率 | 3/4以内 | 2/3以内 |
対象ソフトウェア | 会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフト、ECソフト | |
賃上げ目標 | なし |
【引用】IT導入補助金HP
デジタル化基盤導入類枠は通常枠よりも、補助率が高く最大で350万円まで補助金がもらえます。
インボイス制度によって新しい形式での請求書が必要になり、企業間で必要な取引数も多くなったので、補助金を利用して積極的にIT化を進めましょう。
セキュリティ対策推進枠は、企業のセキュリティ対策を推進するために設けられた申請枠です。
<セキュリティ対策推進枠の概要>
種類 | セキュリティ対策推進枠 |
補助額 | 5万円~100万円 |
補助率 | 1/2以内 |
機能要件 | 独立行政法人情報処理推進機構が公表 する「サイバーセキュリティお助け隊 |
サービスリスト」に掲載されている いずれかのサービス | |
補助対象 | サービス利用料(最大2年分) |
【引用】IT導入補助金HP
個人情報や顧客情報・企業秘密など、セキュリティ対策が脆弱であると大切な情報が漏洩してしまう可能性があります。
また、情報漏洩にとどまらず企業としての信用も失ってしまうので、補助金を利用してセキュリティ対策を強化しましょう。
続いて、IT導入補助金の申請・手続き方法をみていきましょう。
【引用】IT導入補助金2023HP
なお、IT導入補助金の申請には事業者側とベンダー側の手続きが必要になりますが、本記事では事業者側の申請方法を解説します。
補助金交付までの流れを理解して、スムーズに申請を進められるようになりましょう。
IT導入補助金の交付申請を行う前に必要な登録・手続きが3つあります。
まず、「gBizIDプライム」アカウントを取得して「SECURITY ACTION」を宣言しましょう。
どちらもオンラインで利用でき、利用料も無料なためすぐに手続きが可能です。
宣言が完了したら「みらデジ」のポータルサイトにgBizIDで登録して「経営チェック」を実施していきます。
経営チェック手続きも簡単にできるため、補助金の交付申請を行う前に必ず行いましょう。
事前の登録手続きが完了したら、事業計画の作成・交付申請を行なっていきます。
なお事業計画は、IT導入支援事業者と商談したうえで、策定する必要がありますので注意しましょう。
事業計画を策定する際には、補助金の趣旨に適合しているか・評価基準によって評価されるべき内容になっているかといった点に注意が必要です。
事業計画書が策定できたら、下記の流れで申請を行います。
IT支援事業者が行う手続きもあるため、手続きを円滑に進めるためには密にコミュニケーションを取るように心がけましょう。
また、当たり前ですが情報が間違っていると申請が通らないので、間違いがないかダブルチェックを行うことが大切です。
申請が採択され交付が決定したら、ITツールの発注を行いましょう。
もし採択前にITツールを発注・導入してしまった場合には、そのツールは補助金の対象外となってしまいます。
そのため、必ず交付決定を受けた後にツールを発注して事業を開始しましょう。
タイミングを間違えてしまうと、申請にかけた労力が水の泡になってしまうため注意が必要です。
本記事では、IT導入補助金について、スケジュールや申請方法を解説しました。
IT導入補助金は2024年も募集されることが決定しており、大まかなスケジュールは発表されています。
2023年は最大で15次まで募集がありましたので、2024年も同程度の募集がされることが予想されます。
中小企業や個人事業主の方は、IT導入補助金を積極的に利用して事業のデジタル化による増収・増益を目指しましょう。
本記事をIT導入補助金を申請する際に、お役立てください。
B-TOPでは、提案型サポートから、業務プロセスのアウトソーシングまで幅広く対応しております。
IT導入補助金の申請を検討している方は、ぜひお問い合わせください。